diary

2007年10月22日(月) 再会

元彼が、こっちへ来ました。
用事で。

新幹線で約2時間の距離です。

会おうってことになって
会うことになりました。

今からちらっと行くことになりました。

うっわー。
なんか、ドキドキするー。

どんななっとうやろ。
会うの、1年4ヶ月ぶりやん。
やせたって言ってたし
どんななっとうのかなあ。

***

で、会ってきましたよ。

車で元彼を迎えに行ったんだけど
そこまでの道がわからなくて
こうへいくんに電話した。
「○○病院までってどうやって行ったらいい?」って。

この間一緒に温泉に行ったときに
通った道の途中だったと思ったから。
それだけじゃなかったかもしれないけど。
たぶん、動揺してて、誰かの声を聞いて
安心したかったんだと思う。
こういうとき、いつも一番に思いつくのって
こうへいくんだから。

こうへいくんは道を教えてくれながら
「こんな時間に何しに行くん?」って聞かれたので
「友達と待ち合わせ」って答えた。

で、元彼と再会。

私は元彼に会ってから
「ほんっとに変わったね。やせたね」って言った。
それ以外に言葉が思いつかないくらい、びっくりした。

人って、1年4ヶ月でこんなに変わるんだ、と思った。
元彼は痩せてて焼けてて、別人みたいでした。
地元で建築の仕事をしてるから、日に焼けてる。
力仕事だからか、体も痩せて引き締まってる。
お世辞じゃなく、俳優の成宮くんに似てた。
普通にかっこよくなってた。

私の好きな元彼は、こんな男じゃなかったよ、と思った。
色が白くてふわふわした感じの人だった。
デブってほど太ってはなかったけど
ふわふわ、ふにゃふにゃ、クラゲみたいなイメージの人。
向こうが透けて見えそうに。
透明感があるとかそういうんじゃなくて、幽霊みたいな人だった。
目の前にいる元彼は、よっちゃんイカみたいにだった。

元彼は私に会ってから
「かわいくなったな」って言った。
私は「前からかわいかったよ?」って笑った。
「じゃあ、もっとかわいくなった」って元彼は言った。
うれしかったけど、それ以上に空しかった。

会ってみたかっただけだから
見ただけで私は納得したし、満足だった。
でも、そういうわけにもいかないので
ちょっとぶらぶらドライブでもするかなと思って
適当に車を走らせた。

私は早く帰りたかった。
もう十分だから。

でも、元彼、へべれけ王子(酔っ払い)だったし
甘えてこようとしたり、じゃれてこようとしたりする。
私のうちに行くって言って聞かない。
「どこでもいい。どっかに泊まる」って言い出す始末。

私、そんなつもりじゃ、なかったんだよ。
どんどん気持ちは冷めていく一方。
どうやって帰ろうか、ずっと考えてた。

「明日の予定は?」って聞いてみた。
「先輩の家に8時に行く」って言ってた。
「先輩の家はどこかわかってる?」って聞くと
着けばここだとはわかるけど、行き方がわからないって。

「先輩の家、探そっか。
そしたら、明日の朝、安心だし、ね。」って
住所を頼りに先輩の家を探し出した。

私はそこで元彼を降ろすつもりで。

先輩の家は30分くらいで見つかった。
家の前で車を停車させた。

元彼は冗談で
「降りれって言うん?寂しいこと言うなよ」って言った。
「すねたんか?」って抱きついてきたり
頭をなでたりしてきた。昔と同じだ。
なのに、どんどん引いていく自分がいた。
頭をなでるその手が、すごくいやで。
前はあんなに好きだったのに、なんでかな。

でも何となく、降ろすのもかわいそうな気がして
また車を走らせた。
たぶん、昔の私はこんな風にして
知らず知らずに流されてたんだろうな。
そして、知らず知らずに好きになって。

でも、やっぱりもうやだ。
話すことなんかないし。
帰りたい、帰りたい、と思った。

それで、住宅地をぐるぐるぐるぐる。
先輩の家から離れないように、ぐるぐるぐるぐる。
その時間つぶしのドライブ中
何度も元彼の名前を「こうへいくん」って呼びそうになった。
3回くらいは「こー」まで言った。
「こー、コーヒー飲もうかな」とか
「こー、ここかな」とか
適当にごまかした。
へべれけ王子は気付かなかったと思う。

20分くらい走ってから
また先輩の家の前で車を停めた。

「本気で降ろすつもり?もう帰るん?」って元彼は聞いた。
冗談やろ?って言いたげな顔。
私は「うん」とも「ううん」とも言わず、笑った。
たぶん、ぎこちない顔で。

元彼は「わかったよ。降りるよ!」って
ちょっと怒って降りた。
ずっとドアのそばから離れない。
たぶん、私が引き止めると思ったんだと思う。

私は笑顔で手を振ったあと、前を見て、そのまま車を出した。
元彼のさみしそうな姿を見るのが怖くて
バックミラーもサイドミラーも見なかった。
ただ前だけ見て、まっすぐ進んで
一番はじめの交差点ですぐ左折した。

元彼と一緒にいたのは、わずか1時間足らずだった。

去年はあんなに会いたくて
別れがつらくてたまらなかったのに
それはもう、昔の気持ちなんだなって実感した。

あのときは本当に好きで
好きで好きでたまらなくて
失恋もすっごくつらかったけど
もう、私が過ごしたあの楽しい時って
どうやったって戻らないんだなあって思った。
たった1年4ヶ月で、こんなに変わるなんて。

正直、なんで私、この人のこと
そんなに好きだったのかなあ?って
不思議な気持ちになった。
なんかすごく残念な気持ちで。
その自分の気持ちがたぶん
すごく居心地が悪くて、イヤだったんだと思う。
元彼は外見以外はたぶん、ほとんど変わってなかった。
前と同じだった。
でもきっともう、私にはトラウマなのよ。
もうあんなつらい思いはしたくないって
心が拒絶した。

こうへいくんに電話して
「無事に着いてね、今から帰るとこ。
さっきありがとう」ってお礼を言った。
こうへいくんは「気をつけて帰れよ」って言った。
声を聞いて、安心した。
心の底から「ありがとう」って思った。

こうへいくんのことを好きだとか
そういうんじゃなくて
あの人は、私の精神的な支えと思う。
なんだかんだ言って、やっぱり私にとっては
かけがえのない友達で、親友なのかもしれない。

こうへいくんと友達になってから7年の間に
こういうことは何度もあって
そのたびに、救われてきた気がする。
別に具体的なことを相談するとか
そういうんじゃなくて
ただ声を聞くだけで、安心する。
お父さんの声を聞くのと、同じくらい。

私の現在地を確認するというか
「何やってんだろう、私。どうかしてたよね」って
自分を取り戻せる気がする。

すっきりした。


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