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■ 映画「ひまわり」
*内容で映画の確信に触れることまで書いてあります。ご了承願います*
二十歳の頃(すごい昔)。好きな映画は「ひまわり」という友達が多かった。
最近になって見たが、それがよくわかった(筆者は二倍の二十歳をだいぶ前に迎えている)。
あそこまで愛されたら〜。ということと恋愛という幻想を抱いてしまうのだ。 「ひまわり」を好きと言ったコにはたいてい彼氏はいなくて、ただ恋に恋していた。 コツコツと主人公の靴の音が反響するような閑散として寒々しい広い空間を歩く。 徴兵された者の生死、行方を確認しに行く。
ところが、どこでも「ノ―」と冷たくあしらわれ、暗い顔をしながらも我慢ならずに主張を訴える美女・・・。
前半、豊満な肉体のソフィアローレンは、小ぶりのアフロヘアーのような感じで登場。 マルチロ・マストロヤンニ扮する後に夫となる恋人と浜辺で寝転んでいちゃいちゃしているシーンからはじまりる。
結婚をしないのか?とソフィアローレン演ずるジョアンナに迫られる。
そのとき、マルチロ・マストロヤンニ演ずるアントニオは、
「俺ら、結婚する気はねーべさ」(べつになまってないと思うけど・・・)ということで結婚は保留。
でも戦争という時代背景のなか、二人は結婚を決断する。
ぱっと結婚式を終えたであろうウエディング姿のジョアンナと軍服を着たアントニオが教会から腕を組んで現れる。
その後、初夜。 イタリアには新婚旅行という習慣はないのか、それとも戦争という時代のなか割愛していたのか?
彼らは、部屋に閉じこもってベッドで愛し合い続け、アントニオは出席するはずだった友達の結婚式をすっぽかす。
気がついた時には時計は6時を指していて、「しまった」と気付いた時には後のまつり・・・。
その後、ふたりは起きると(何日間、ベッドでいちゃついていたのか「?」)
窓辺に置かれた籠に山のように盛られた玉子24個を使った(濃い〜)玉子焼きを作り、ワインと共に食した。
その後、戦争に行くのだけども、行きたくないアントニオは、演技でナイフを振り回し小さな街で暴れ、騒ぎを起こす。
そして精神病院送りとなる。(2012現在は、イタリアでは精神病院は廃止)で、精神病院にアントニオに面会に行くジョアンナと二人きりの面会室で抱き合ったり・・・
それを監視員らに盗み見られアントニオの狂言がバレ、戦地送りとなってしまう。
この映画の監督のおもしろいことに、戦地へ向かうために招集された駅で電車発車までのたった15分の自由時間をアントニオは、ジョアンナを抱きしめる時間とする。
が、場所がなく、なんと男子トイレで抱き合ってしまう。
そういうところにこの監督の人らしさがあらわれていておかしい〜。 戦地は、極寒のソ連(今でいうロシア)。
砂漠のように何もなく、広大なただ一面雪だけのなか多くの人が戦い、というよりも寒さで命を落とす。
そのシーンは参考シーンのように構成されている。この映画の本題はそこではない(戦いを伝えることではない)ので。
場面は、変わり、冒頭の徴兵された安否確認のところに戻る。
一向に安否がわからず、地味に繕いものなどをして時間の流れをもてあまして暮らすジョアンナ。
近所に住むアントニオの母はあいかわらずに産みたての玉子を籠に持って来る。
でもジョアンナは、あきらめずに夫の安否を確認、いや生きていると信じて立ち上がる!! 結局、探しに探しまわるにあたってソ連にまで行き、夫を探し続ける。
でも言葉もわからず、異国の地。
行きついた場はこの映画のタイトルにもなっている、戦場となり多くの兵士が死んだとされる一面ひまわりに埋め尽くされたその場所だった。
そこが、映画のハイライトシーン。現実を受け止めるのかと思いきやジョアンナはあきらめることなく夫の写真を片手にどこまでもどこまでも探しまわる。
とうとう再会できるのだが〜。このシーンで私、不覚にもボロ泣き〜崩れる。
現実を見たジョアンナはショックのあまり発車はじめた汽車に飛び乗り、汽車の座席に座り込み泣き崩れる〜。
場面は変わりその後、髪を長く伸ばし、いい女風に変身して新たの男とつきあい、仕事に就く。
仕事は、人の身体のパーツがぶら下がり、顔、胴体、足に埋もれるなか、胴体にていねいにサンドペーパーをかけるマネキン人形製造工場。(なんでよりにもよってそういう仕事?)
場面は変わり、アントニオは、イタリアのジョアンナに会いに行く手続きをしつづけなんと、アントニオは、イタリアへ。
ところが、戦争で引き裂かれた二人は、もう元に戻ることはできないという現実のなかさびしく、アントニオが乗った汽車を見送る美女がひとりたたずむ・・・終り
この映画上映では、なんと客は私ひとりだった。
贅沢というよりもいかに世の中の人たちは、意義あることには見向きもせず、そうでないことには群がるかという今の日本にちょっと悲観して映画館を出ました。
2012年11月06日(火)
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