⊂寝息。⊃
2001年12月15日(土)

「我慢をしなさい」
とか、云われると。
我慢って何物か解らない。
あなたは、いつも『我慢』と『努力』の羅列を詠う。
ねぇ、その見本を見せて。

でも時々、突然、我慢なるものが何物か漠然と理解出来る事もある。
あなたは家を出て行った。
「耐えられなくなったから」と云って、柔らかに約束をほどいた。
何度もほどかれた小指は、約束も信頼も失くした。
逃げたあなたには云われたくなんてないの。
あたしは夢を見れば進むことしか出来なくて、あたしなりの理解さえ糧にしたつもりで。
ほんの、簡単なことだった。
我慢に努力を足せば、何事も解決出来たハズだった。
だけど、今は蝕まれたままの身体で、あたしは何処へも行けない。
屋上から飛び下りることさえ希望の日だってある。

全てを恨んで、復讐は切り口も甘く。
あたしの残した足跡は、ひとの波に掻き消されてゆく。
瞬きする一瞬だって、とても恐かった。
あたしは飲み込まれる。
夜闇も雪も鮮やかな赤い唇に絡み付く、白くうねる息も。
異常すぎる程、それらを愛し。
矛盾するほど、それらに怯えた。
もう、今年も冬が来て。
あたしは強い風に呑まれることもなく。
きっと誰にも愛されることのないまま。
歌声でひとを殺せる日がくるまで、あたしは留められた希望に未来を託す。

友達感情の限界なんて、あたしは解らないけれど。
あたしはあのこが入り込んで来る隙間をもう赦さない。
あなたの言葉を赦さない。
矛盾、絶望、束縛、非力、憂鬱、早く消えて仕舞いなさい。
消えて無くなって貴方の消滅は、ひとをひとり救うのよ。
せめて、それだけは認めてあげる。



My追加
 << 足跡  すべて  糸 >>



由弥 [御手紙]