カウントシープ
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誰かを愛さなくては生きていけないと思う。だけれど、強さを胸に秘めていなくては、愛することなどできないとも思う。そして強さとは培われるものであり、最初から備わっているものではない。
かなりの劣悪な環境でもってしても、僅かな良いものを拾い集めて人はしたたかに生きていく。そのために記憶は改竄され、付け加えられ、強調と消去を持ってして、生きていけるだけの世界を作り上げるのだ。
そしてようよう生きていくなかで、すっかり疲れ果ててしまう。そのタイムリミットは個人差があるし、その環境にもよるだろうけれど、いずれ人は生きていけないことに気がついてしまう、自分の外側に世界が広がっていることに。
そうなる前に、そうなる頃までに、人は旅立つだけの準備をしておかなければならない。これから広い世界に、ただ1人で踏み出さなくてはならないのだから、それ相応の準備をして、自分を見失わないように、きちんとした鏡を一枚ポケットにしまいこんで、そうして誰もが旅立つのだ。
愛するものを探しに旅立つものには、神のご加護があるよう。本当の愛を見つけられたなら、すべての自分を取り戻すことだって可能かもしれない。
ロビン
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