カウントシープ
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子供達は、愛されなくては人に成長しないから、今生きているものは皆、誰かしらに愛されてきたことになる。 両親が酷くっても、毎日が酷いわけじゃなくて、ほんの少しはいいことだってある。彼らは気まぐれになら小さきものを愛するだろうし、部分的には愛してくれているときだってあるからだ。誰かが食べ物を与えてくれなければ、もう死んでこの世に居ない。
本当なら、連続する確かな愛が、人を育てるのに必要不可欠なのだが、無いものは仕方が無い。ボロボロと穴の開いた土壌であっても、根を張れる場所を探して、土台を求めていくしかないし、そうやってでも、何とか人は生きながらえていくものだ。
だが、成長となると違う。きちんとした土台が無ければ、成長することはできず、あるいは部分的にしか伸びることができずに、ある部分は幼いままで、もっとも外側の部分、殻だけが大きくなっていく。そうして、心は子供のままで停止し、成長することのできなかった寂しいかつての子供が、大人として生きていくのだ。
大人になってからでも、愛されるチャンスはある。友達から、恋人から、老いていく両親から、関わるすべての人から、そして自分自身の変化によって、世界にもう一度、生まれなおすことが、できるかも知れない。
ロビン
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