鼻くそ駄文日記
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2001年08月11日(土) サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブバンド(THE BEATLES/EMI)

 ビートルズのアルバムの中でもかなり評価の高いアルバムが『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブバンド』である。
 ポール色が強すぎてぼくはサージェントよりは『リボルバー』のほうが名盤と思うし、マニア層ではホワイトアルバムのほうが評価が高かったりするけれど。まあ、そんなことはどうでもいいか。
 その、『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブバンド』の一曲目が「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブバンド」という曲である。そのままだが。
 この曲は、意外にマイナーな曲だ。激しいエレキギターのイントロから、ロックンロールを意識した歌い方をするポールの声が、ヘッドホンで聴いていると片方の耳からしか聞こえない変な曲である。
 んで、ぼく自身もこのアルバムに入っているこの曲は好きではない。
 ちなみに『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブバンド』を発売した当時のビートルズは、ライブ活動を一切しなかったひきこもりミュージシャンだったから、ビートルズ自身のこの曲のライブ演奏はないので、この曲のビートルズによる演奏はオフィシャルアルバムにしか残っていない。探せばどっかにデモテイクぐらいはあるかもしれないが、ブートレッグ盤でもあまり「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブバンド」は出ていないからぼくは知らない。
 後にこの曲が、ビートルズのメンバーによって演奏されたことはある。1990年のポールマッカートニーのワールドツアーから、ポール・マッカートニーはこの曲を自らのバンドでやっている。しかし、ぼくはそれも好きじゃない。
 じゃあ、おまえは何が好きなんだ? 結局、サージェントが嫌いなんだろ! と怒られそうだが、ぼくはこの曲の好きなバージョンがひとつだけある。
 それは、ジミ・ヘンドリックスのカバーだ。
 ジミヘンは、ライブでたびたびこの曲を演奏している。これがすごくいいのだ。もっとも、当のポール自身もジミヘンのヴァージョンを聴いて「ジミヘンがぼくらの曲をやってくれた」と感動したそうだが。
 ノイズの激しい歪んだギターで演奏されるジミヘンの「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブバンド」は、ビートルズのそれよりも野蛮で激しくラフで、そしてブルーズだ。
 世界一のレノン/マッカートニーの楽曲を、ウッドストックでもっとも注目を浴びたロックヒーロー、ジミ・ヘンドリックスが演奏しているのだ。そこには神がかりてきなものまである。
 ビデオ盤のモンターレポップフェスティバル(オーティス・レディングも同時に収録されてると思う)のインタビューの場面と、ワイト島ロックフェスティバルでこのジミヘンの「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブバンド」は聴ける。
聴くたびにぼくは、クラシックの伝統のある白人のほうが曲を作る能力はあっても、ロックはやっぱり黒人のものなんだなあと思ってしまいます。たぶん、これは間違ってないでしょ。
 


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