【読書記録】浅倉卓弥「四日間の奇蹟」

浅倉さんのデビュー作ということで、手を伸ばしたのですがばっちり長編でびっくりしました。400ページ越えなんて最近は読んでいなかったのも手伝って、ボリュームたっぷりな一冊だったなと感じました。
さて、今作は著者の持ち味がきらりと光る作品だったと思います。展開と感情コントロールがまさにこの方だなぁと思うような内容になっていて、私が「これぞ浅倉さんのよさ!」と思ったものがとてもよく発揮されていると思います。ただ、導入部分…起承転結の起で人物がそろうまでの流れが長く、いつになったらこの物語は始動するのだろう…と少しペースにもたつきを感じました。バックグラウンドや人間関係がこの上なく大切で必要なのはわかるのですが、起き上がるまでに100pというのは全編400を考えてもやはり長いような。というのも、やはり立ち上がってしまえばそこからの展開はとてもスピーディで興味をそそられる展開なだけに、ここまでたどり着くまでに飽きてしまわれないかが心配だという側面もあります。NO.54■p411/宝島社/03/01
2008年10月10日(金)

ワタシイロ / 清崎
エンピツユニオン