日々是迷々之記
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明日からゴールデンウィークなので、今日で仕事は終わりだった。いつものように黙々とやるべきことをこなし、昼食は送別会で、小さなフレンチレストランへ行った。会社の交際費として処理されるようだ。その時、同じ歳の上司の女性から、帰る前にみんなに挨拶に回らんとあかんで、と言われた。
うーん、これが何とも苦手なんである。うちの事務所は100人弱の人たちが2つのフロアに別れて仕事をしている。そこに、ウスラ笑いを浮かべながら近づいて行き、「へへへ、短い間でしたけど、お世話になりました。えへへへへ。」みたいな挨拶を個人個人にする。今まで辞めていった人たちはみんなやっていたけれど、私はそういう儀礼的なのが苦手だ。
ということでメールで済ませることにした。わたくし事で、仕事の手を止めさせてまで、ご挨拶を差し上げるのは本意でないので…。と書いて送信したところ、一瞬で15人くらいの人から返信を頂いた。…、うーんなんだか私は不作法者ではないかい?これだけの人が気遣ってくれているのに、へへへと笑いながらトンズラしようとしているわけである。私は背中に脂汗をかきながら、やっぱり挨拶にまわった。小一時間かかったが。
みんな基本的に良い人たちばかりなんである。のどあめをあげたことを感謝してくれている人や、ファックスの使い方をアドバイスしたことを覚えていて感謝してくれる人もいる。いわゆる悪役である一番上の上司ですら、今日はがんばれと言わなかった。昨日まで「刺したろか。」というほど憎たらしかったが、何だか自分が恥ずかしい。
何かこう、わたしは引きずりやすい性格のようだ。誰かが何の気なしに言った一言をしつこく覚えている。そして憎悪したり、必要以上に喜んだりしている。これがいいことなのか悪いことなのかはよく分からないが、子供っぽいような気がする。
明日からは無職だ。写真の整理に家の整理、ホームページの更新というか作り直しにバイクツーリング。やることがいっぱいでわくわくする。まぁ、そのうちのいくつがちゃんとできるのかは不明だけれど。
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