日々是迷々之記
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月曜日にいろいろあって今日も仕事は休んだ。
弁当を作って相方を送り出し、雨が止んだのを見計らって洗濯。片づけをしてから向かったのは映画館だ。今日は水曜日。レディスディで1000円で映画を見ることが出来る。ということで絶対に相方は見に行きたがらないだろうと思われる「電車男」を見ることにした。
(二人で見に行くと、もの凄く大味でアメリカンな映画しか見に行けないのだ。アルマゲドンとかマトリックスとか。それも嫌ではないけれどたまには叙情的というか心理的な物を描いた作品を見たいと思う気持ちもある。)
で、「電車男」はどんな人たちが観るんだろうとまわりを観察したら、90%位が女学生だった。中学生か高校生かは不明。とりあえず制服着てたので女学生である。あとはカップルがぽつぽつ。平日なのに9割方席は埋まっていた。
まとめサイトも読んだし、原作本も読んだので内容は知っていたのだが、これはこれで一般の人向けの味付けが上手にされていて感心した。その分、原作のディティールに笑ってしまった人は、「ちっ!」と思うかもしれない。
例えば、大切な日なのに朝からアニメを見てから家を出るとか、エルメスの車に乗せてもらって横顔ばかり見てしまうとか、そういう細かいところは省かれていた。(大体エルメスが車を運転するシーンは一切出て来なかった。エルメスは何に乗ってるんだろうと想像をふくらませていたのでちょっと残念。勝手な予想では赤のVWゴルフ、ポロみたいな小さくて大人っぽいハッチバックの車なのだが。)
あと、もひとつ言うと主役の電車男が生まれ変わる?ときにメガネをコンタクトレンズに変えてしまったのが残念だった。別にメガネフェチではないけれど、メガネでも十分ええやんかと思った。が、一般的には銀縁メガネ=オタっぽい、ということになっているのだろうか。
ついでに微妙だったのが、まんが喫茶に籠もるオタ三人衆の戦闘シーン。あれは原作を知っていれば、「毒男が撃たれてるので衛生兵を呼べ!」のAAだと分かるのだが、「主題歌、(オレンジ)レンジやしぃ〜。」とか言いつつやってきた女学生達には意味不明だったと思う。
とかなんとかいいつつも、「電車男さん」はチャーミングだった。男の人にチャーミングというのも変かもしれないけれど、この彼の魅力はやっぱり格好付けても自然体なところである。
HERMESって英語ローマ字読みなら「ハーメス」だけど、いわゆる普通の若者なら「これはエルメス。」と認識し、そう読んでいる。で、「ハーメス」なんて読んでいる奴がいたら、「痛い。」とか言ってバカにするのが世の中なのだ。ベノアだって読めんぞ普通と思うが、世間はそういう間違えをバカにする。
なので、世間ではローマ字で書かれていて読み方に自信のないものに出くわすと、「アレってさ…」とか適当に誤魔化して読まなくていいような方向へ持ってゆく。下手に間違って読んで「痛い人」だと思われるのを恐れているからだ。
彼にはそれがなく、かっこよくあろうとはするけれど、素直な気持ちをダイレクトに出してくる。感情が高ぶったら涙も出るし、酔っぱらいが暴れてたらとりあえず制止しようとする。その辺の若さ故、が心地よかった。
ということで、オレンジレンジのファンの女学生だけでなく、既婚三十女にも激しくお薦めできる映画だと思う。だんなは家に置いてゆくのが吉なのはいうまでもない。
久しぶりの映画は楽しかった。今度は何を見に行こうかな。
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