日々是迷々之記
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2005年08月20日(土) ダメな土曜日

木曜日、金曜日は会社の棚卸しをさせられた。在庫をひとつひとつ数えて、50枚(印刷会社なので)にして、残りは捨てる。A1サイズで850枚の束なんか棚から下ろすだけで死にそうになる。最初は床にしゃがんでいたが、だんだんだるくなり、床に捨てる紙を敷いて座り込んで紙を数える。3,2,3,2で10枚。それを5回で50枚。それほど冷房が効いていないので半日で自分がクサくて嫌になった。

生産性ゼロ、いや、こんな仕事で給料がもらえるんだからと前向きに考えようとするがなかなか難しい。3,2,3,2とやっているうちに脳の違う部分は人生について考えてしまったりして死にそうになっていた。

その怨念が通じたのか、帰り道でだんなさんから電話があった。今日は焼肉を食べようという提案だった。私は合意して、7時15分に焼き肉屋の前で待ち合わせた。生ビール、サンドミノ、赤セン、レバ刺し、ツラミ、バラ、ハラミ。韓国の酒、マッコリもボトル一本飲んでしまった。

家に帰ってからもまたビールを飲む。そして10時間くらい寝た。途中6時くらいに起きてしまった。睡眠薬を飲まずに寝たので、寝続けることが出来ず、必ず何度か目が覚めてしまうのだ。いつものように変な夢。

私は法律事務所に勤めている。今週いっぱいで退職という設定のようだ。高層マンションの上層階にあるその事務所には藤岡弘似の人情にあつい上司がおり、下の階には(お笑い芸人の)オセロが住んでおり、私はオセロ松嶋にマンガを借りており、返しに行くとオセロ中島が「ほな渡しておくわな。」といいつつ受け取ってくれた。

もっと下の階には40歳当時くらいの母親が住んでおり、近くに勤めているのだからもっと顔を出しなさいと異常に現実味のあることを言っていた。あーうるさいうるさいと私は退職を前にして、ロッカーや机のガラクタを登山リュックに押し込んで、ゴルフ場のような芝生の真ん中に突っ立っているそのビルをてくてくと後にするのだった。

わけがわからん。なんで藤岡弘、オセロなのだ。また寝た。

起きてネットのニュースをチェックすると気になるニュースが。認知症や痴呆老人の財産の搾取のおおかたは親族によって行われているという。そういえばうちの母親もその種類に入る。要介護5やし。

「財産の搾取」とは、不動産の売りとばし、年金の搾取、家財の売りとばし、などが相当するらしい。あーということは私がやっていることもそれに当たるかもしれない。実家(賃貸アパート)を引き払ってしまった。家具やその他は売れるものは売って、その他は廃品回収に出してしまった。(売れる物、といってもボロ着物が10着で3000円くらいだった。あとはこっちがお金を出して引き取ってもらったのだ。)

別に自分のやったことを正当化するつもりはないが、どーしょもない。帰るあてのない家の家賃を死ぬまで払い続ける財力なんかないし、貯金は下ろさないと病院代も払えないし、貯金て言っても40万円かそこらしかなかったし、となると、年金の手続きを取って、それをこっちで使い回すしかないではないか。他の人たちはどーしてるんだろうと思いつつ、朝から憂鬱になる。くそっ。

法的に親子の関係を断絶することとかできるんだろーか。できるんならしても別にいいんだけどと思う。しかし、外面は事務的にでも親の世話を見るのが人の道みたいになっているからしょーがなくやっているだけだ。

あんなに人に恨まれている人も珍しい。「あそこの土地は値上がりする。」とか言って、田舎の友人や、自分の姉妹にお金を出資させて(自分の出資はゼロ)田舎に土地を買い、その土地が値上がりせずにちまちまと姉妹友人に借金を返していたが、50万円くらいで返済は滞り、友人達からは無視、姉妹達からは返さないのなら縁を切ると言われていたらしい。それでもすぐ下の妹さんは近く(奈良)に住むという間柄もあって、土地話で踏み倒された後もつきあいを続けていたらしい。

そんなババアのたわごとを信じて金を出す方もバカだが、そんな身近な人間まで金儲けのネタにする母親はみにくい。私や妹がお金に執着しなさすぎるのはそんな母親の愚かな姿を見て大きくなったからだと感じる。私が高校生の時、近所の中古マンションの部屋を買うという計画が持ち上がった。当時1000万円、築20年くらいのマンションだった。妹の転校手続きも取り、さあ引っ越すぞという矢先に頓挫した。住宅金融公庫のローンが下りなかったのだ。ローンの審査は確定申告の結果を基に財力を測るようだったが、当時自営業だった母親は経費を激しく水増しし、年収200万円くらいにして、扶養家族二人なので、ほとんど税金を払っていなかったらしい。養ってもらっていてナンだが、オロカだなぁと思った。ごまかすにしてももっと真実味のあるごまかしかたがあるんじゃないだろーか。

こんな感じで一気に色んな事を思い出した。正直私は親なんか欲しくない。母親は金の亡者の愚か者。父親は子供には甘いが嫁には暴力を振るうアル中でナルシスト気味だった。キャベツでもコウノトリでもなんでもいいから湧いて出たらよかった。それを突き詰めれば生まれなくてもよかったかもとすら思う。あーいかんいかん。

じゃあ、夜釣りに行って来るよとだんなさんはクーラーボックスと釣り竿を持ってバイクで出かけてしまった。ちょっとほっとする。異常にいらついているのでこういうときはいてくれないほうが楽だ。とりあえず洗濯をし、干す。夕日を見ながら2週間ぶりにバイク(カブじゃないほう)の火を入れる。きゅるきゅるとセルがまわり、何事もなくエンジンがかかる。

夕焼けの高架道路は気持ちがいい。アロハシャツをばたばたさせながら走ると涼しかった。停まると暑いが、アクセルを開けると気持ちよく加速し、気持ちよく鬱陶しいクルマを抜き去ってくれる。いいなーバイクは。

友人にタイのみやげと借りていた漫画を返しに行く。タイガーバームのサロンパス(なんだそりゃ)をあげたのだが、香港にもタイガーバームガーデンなるものがあるとのこと。タイガーバームはタイの製品ではないのだろうか?その子の話だと創始者は香港人らしい。謎だ。

家に帰って血圧を測ると90前半と60前半だった。あー疲れたなぁと思いつつ、ネットの巡回。早く寝ようと思いつつ、また母親の夢を見たらうざいなぁと思いつつこの日記をしたためる。

ろくな一日じゃないなぁ。


nao-zo |MAIL

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