エスムラネット・日記

2003年10月06日(月) 帰省

 夜、阿佐ヶ谷を出て、八王子へ。
 実家へ帰るのは、8月以来である。7年前に家を出て以来、2か月の間に2回も帰省するというのは、恐らく初めてだと思う。これも退職の「副産物」といったところか。本当は、退職したら一週間ぐらい、実家でのんびりしようと思っていたのだが、女装やら何やらで、結局果たせないまま、今に至っている。それにしても、同じ都内に住んでいながら、こんなに疎遠になるとは……。一人暮らしを始めるまでは23年間、毎日顔を合わせていただけに、何だか不思議な感じがする。諸行無常である。
 電車に乗る前に、阿佐ヶ谷のケーキ屋で、3人分のケーキを購入した。孫の顔も見せてやれず(それはもう、仕方ないと思っているが)、30過ぎて、親に小遣いの一つも渡してやれない甲斐性なしな娘の、せめてもの孝行のつもりである。ちなみに、この阿佐ヶ谷のケーキ屋は、聞くところによると、漫画「西洋骨董洋菓子店」のモデルとなった店らしい。値段は割と高いのだが、美味しいし、深夜2時まで開いているので、何かと便利である。
 実家では、ドラマ「夢見る葡萄」を観ながら、母の手料理を食べた。母はとにかく、人にものを食わせるのが好きらしく、料理の品数がいつもやたらと多い。完食どころか、全品目に手をつけることすら困難である。そう言えば以前、会社の仕事で、実家の近くで写真撮影をしたことがあったのだが、カメラマンの方を連れて実家に立ち寄ったところ、母は「突然だから何もなくて……」と言いながら、菓子やらスイカやらを次から次へと出してきた。「ヘンゼルとグレーテル」の魔女さながらである。ありがたいことではあるが、満艦飾状態の食卓を見るにつけ、普段の自分の貧しい食生活を省みて、「何で一人暮らしなんかしてるんだろうなァ」と、後悔とも哀しみともつかぬ感情が押し寄せてくる。困ったものである。

●今日の行動
・またまた国内で、狂牛病の牛が発見されたらしい。「秋になったらまた現れるのでは?」という大方の予想通り、SARSも復活したそうである。あーあ。
・某出版社の契約社員に応募しようと思っていたのだが、断念する。9月半ばに父から「応募してみろ」と言われ、応募書類はダウンロードしておいたのだが、ハッと気づいたら、締め切り前日になっていた。慌てて書店へ行き「履歴書・職務経歴書はこう書く」などという本を購入してみたのだが、あまりにも大変そうだったのであきらめた。昔から、こういった書類(「当社で手がけたい企画」などを書かされるもの)は苦手だったのだが、いまだにそれは改善されていないらしい。しかも最近は、自分の努力不足を「縁がなかった」という言葉で誤魔化すようになってしまっている分、タチが悪い。父にはとりあえず、「応募書類は出したが、落ちてしまった」と言っておこうと思う。嘘も方便である。
・実家の近くには野生の雉がいるらしい。両親は早朝ウォーキングの際に、時折見かけるのだそうだ。食卓のマットの下に、父が描いた「雉出没記録」が挟んであった。何故か雉のイラスト入りである。こういうものを目にする度に、あるいは父が孫(私にとっては、姪)に振り回される姿を見る度に、私の頭に「好々爺」という言葉が浮かんでくる。
・ホームページのカウンターが20万を超えた。第1シリーズを終えた段階では確か、15万くらいだったと思うので、ロクに更新もしていない2年近くの間に、のべ5万人の方がカンカラカンカラ、無駄にカウンターを回してくださったということになる。ありがたいことである。


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森村明生 [MAIL] [HOMEPAGE]

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