「硝子の月」
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2001年10月01日(月) <街にて> 瀬生曲、朔也

「いってぇ……」
 後頭部を押さえて男がうめいている。しかしあんな石をぶつけられておいてその程度とは、相当な石頭らしい。
「さぁて……」
 親友を取り戻した少年はゆっくりと男に歩み寄る。
「よ、よぉ小僧、また会ったな!」
 まだ後ろ頭を押さえたまま、男は白々しいくらいに爽やかな笑顔を見せた。
「おお。ちょっといい運動させてもらったぜ」
 よく見ると少年の肩はまだ大きく上下している。
 ――これは逃げられる。
 すぐさまダッシュをかけた男はすぐに後悔することになった。

「逃がすと思うかこのボケ!!」
 キレた少年の声と同時に、頭から何かに襲い掛かられる。
「うわあッ!!?」
 思わず悲鳴を上げた。件のルリハヤブサだ。
 爪とくちばしを使い、頭も無く顔も無く滅茶苦茶に攻撃を食らう。


紗月 護 |MAILHomePage

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