「で、何で俺達は猫なんか洗う羽目になったんだ?」 大きな盥(たらい)とルリハヤブサを威嚇する十匹近い猫を前に、少年は溜息をついた。「何で…ってお前が言うか?それを」 些か年よりは上に見える青年が、猫を威嚇しながら言う。いずれにしろ、水嫌いの猫どもを洗わなければならないのには代わりがない。