「早い話が逃げたのね」 少女は溜息と共に盥の中に猫を入れていく。幸いにして風呂慣れした猫達なので暴れられて玉のお肌に傷がついたりはしない。「怒らないのか?」 少々意外な心持でグレンは尋ねた。自分が見たところでは、彼女はあまり気の長いほうではない。「うーん、ちょっとね。流石に同情するものがあるし。これで猫が強暴だったりしたらキレてたかもしれないけど」