「硝子の月」
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2001年12月25日(火) <成り行き> 朔也、瀬生曲

「嫌だなぁ照れちゃってv」
 ゴッ!
「……10.0」
「ありがとう」
 一撃で沈められた青年を2人で冷静に見下ろしつつ、とりあえず追加の猫をかき集めて続きを洗い始めた。
 何故唐突に猫洗いかと言えば、時間はわずかに遡る。……あれは今朝のことだった。


 一行は結局四人ということになった。
「まぁ、旅は道連れって言うしな」
 グレンはがしがしと頭を掻いた。
 昨日の今頃にはよもやこんなことになろうとは思いもしなかった、というのは全員の共通した感想であろう。
「で、どこ行くんだよ」
 勝手に自分を『道連れ』にした青年に、ティオは至極まともな問いを投げ掛ける。
「とりあえず東へ。ファス・カイザに出たほうが情報もあるだろう」
 首都の名を告げ、東に進路を取る。
 グレンの目的が『硝子の月』にあることは、新しい仲間二人にも既に教えてある。二人とも別段驚いた様子も馬鹿にした様子も無く受け入れた。変わっていると言えば変わっている。
「東、か……」
 ティオはぽつりと呟いた。


紗月 護 |MAILHomePage

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