「……? 東が……どうかしたのか?」 少年の様子にどことない違和感を感じ、グレンは尋ねる。少年はただ一言、別にとだけ答えてわずかに肩をすくめた。 よく分からないが、特に異論があるわけではなさそうだ。新たな道連れである少女と青年も同じく。「―――。まぁ、いいか……そんじゃ、ファス・カイザに向けて……」 出発、という言葉を口に乗せる直前。「うわああああああっ!?」 唐突にシオンが大声を上げ、一同はぎょっと動きを止めた。