水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。


2001年11月27日(火) 新津きよみ著『同窓生』

気がついたら、最近はずっと乙一さんの本を読んでいました。
ホラー小説しか読まないのかと思われそうで、これでは「水野のホラー図書室」
ですね。今日は、ちょっと違ったものを・・と手にしたのが、新津きよみさんの
『同窓生』・・って、あ・・またホラー小説でした。笑
おつきあいいただけたら・・うれしいです。

主人公、鳥居史子はインテリアコーディネーター兼キッチンスペシャリストです。
大学時代の友人たちと14年ぶりに集まることになりました。お洒落なイタリアン
レストランでのランチに出席したのは五人。それぞれが近況や思い出話を語る
中「鈴木友子」という名前がでるのですが、史子には彼女の記憶がありません。
ほかの四人から、「鈴木友子」は史子の親友だったと言われ、史子は
不安になっていきます。なぜ、そんな親友のことを思い出せないのだろうか・・

史子は数日前に頭を打つ、というアクシデントがあり、一部の記憶の欠落に
怯えていたのです。必死に記憶の糸をたぐりますが、同窓生たちが話題にした
「鈴木友子」とは・・

怖さで震え上がりました。
あとがきで、著者は、今まで書いたホラー文庫の中でもっともホラーらしい、
とおっしゃっているくらいですから、・・・怖いですーーー!!

この怖さ、半端じゃないです。
自分の記憶に甘く、他人の記憶に厳しい・・誰もが思い当たるところです。
自分の記憶から消してしまいたいほど忌まわしい存在があったら・・
存在を強く求めるあまり、記憶に棲む存在があったら・・こ、怖すぎる(冷や汗)

女性同士の複雑な関係がていねいに描かれています。
ドロドロホラーじゃなくて、ヒヤッとするホラーです。あ、まだ、ホラーを
語るほど、ホラー小説は読んでいませんが。(ホラーにはまりそうな予感が)

女の嫉妬は怖い。
新津きよみ著『同窓生』(角川ホラー文庫・書き下ろし長編)・274ページ。
ホラーの怖さを浴びた80分。
体調がすぐれないときは、読むのをやめた方がいいです。






水野はるか |MAIL
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