水野の図書室
Diary目次|過去を読む|未来を読む
皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。
2001年12月17日(月) |
乃南アサ著『家族趣味』 |
家族って、何でしょう? ひと言では言えないけれど、それは大きな存在で、大切なもの、そんなふうに 思っています。
乃南アサさんの短編集『家族趣味』の最後の物語は、表題作『家族趣味』です。
カコは36歳。夫と中学生の息子がいながら、仕事をバリバリこなし、恋もする パワフルな毎日です。週に一度は11歳下の英樹とデート、もう一日は一緒に 仕事をしている坂本とデート、土曜は陶芸教室とスカッシュに行き、水曜は 英会話へ。その間に女友達と食事をしたり、残業・出張もこなすんです。
仕事も家庭も全てが趣味、楽しくてしょうがないと言い切るカコ・・って、 イキイキしてます〜(輝いてるとは思えませんが)← ヤッカミかにゃ?笑
カコの家族は、お互いを名前で呼び合ってます。 息子はひろくん、夫は亮ちゃん・・息子が母親をカコと呼んだり父親を亮ちゃん と呼ぶのには目がテン!(古っ!) プライバシーを尊重して、お互いの生活を干渉しません。
恋人を持ちながら、今の生活を壊すつもりのないカコは、夫に甘えたり息子を 外食に誘ったり、時々、気まぐれで家族であることを楽しみます。
うーん、これが、家族が趣味ということなのですかぁ〜? 家族三人揃って、食事をすることがないなんて、不自然で奇妙に映るのですが。 夫はともかく(なんて、夫に悪いけど)、中学生の息子の朝ごはんはどうなって いるの?と考えるわたしは、カコにはなれないですね〜笑
そして、楽しくて楽しくて、というカコの人生はまっさかさまにストンと落ちて しまいます。乃南さんの容赦ない落とし方には、心臓がバクバクしました。
乃南アサ著『家族趣味』(新潮文庫)の表題作『家族趣味』は68ページ。 こんなラストが待っていたとは・・の29分。 家族が趣味、なんていう人がいたら、ぜひ読んでほしいです。 家族を大切にしないとバチが当たります!
この短編集は五話収録でしたが、どれも傑作です。476円は超お買い得〜☆ 明日は・・まだ考えてないんです。明日の夕方、書店で探そっと〜♪ じゃ、またね。
|