Sotto voce
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不意に背後から抱きしめられる 指先が髪をもてあそぶ 吐息が耳をかすめ 唇が耳たぶ・首筋・肩をなぞって降りてくる。
無防備に立ち尽くす私をからかうような 相方の触れ方。 それだけでスイッチの入る私。
まってたんだ、こんなふうに、 また私に触れてくれる日を。
口には出さないけど身体が反応する 3ヶ月そこらで忘れられるわけなんかない。
まるで夢のようだとうっとりしながら 相方の次の行動を待っている
そこで目が覚めた。 仕事の昼休憩の、ほんの5分ほどのまどろみで見た あまりにも甘くてリアルで、でも残酷な夢。
職場じゃなければ泣きたかった。
相方と二人でいたときよりは、はるかに広がった私の行動範囲。 いつ呼び出されるかそれを待ちわびて、 ほかの人と会う約束を入れないようにしていた4ヶ月前までの私。
あんな袂の分かち方をしたんだもの、 彼への未練はまだあるけれど 向こうから私を呼び出す、一対一で会うことはないだろうと 少しずつでも悟れてきたから。
広がった行動範囲、交友関係 それが、少しずつ前に進む力をくれているのに 最近の私はこんな夢ばかり見てはうなされ、 眠れない日々が続いている。
かなわない思いならいっそ忘れたいのに 私の中の何かがそれを恐れるように心に波状攻撃をかける。
これからの私の時間を、思いを向けるほどの価値が彼にはなく 彼が同じ思いを私に向けてくれるなんて 天地がひっくり返ってもありえないほどの確率、と さすがにわかっているはずなのに。
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