ぼくたちは世界から忘れ去られているんだ

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2002年04月12日(金) ほとんど無断です。問題あったらいってね。リンク企画。
 だれかとつながっていたい。
 でも、つながっているのに、すごく、遠くて。


四重華
リエン
 両手をバレリーナのように曲げる。
 その中は完全に彼女の世界。わたしはけしてその中には入れないし、その世界に石を投げ入れることさえ、できるかどうかわからない。わたしはそっと彼女の背後に忍び寄る。彼女の世界を覗き見る。子供の頃に見た、深夜の静寂のような、不思議な世界。



名づけられた森
不破海路
 わたしの心の中に降り積もる言葉の群れを、解き放っていいんだよ、とやさしく云ってくれたのは、彼女でした。言葉は、自由だと、彼女は教えてくれました。
 森の中に何があるのだろう、そう考えたとき、わたしたちはもう森の中にいます。
 言の葉を彼女は集めて、やがてリースをつくるでしょう。それのために、そっと言の葉を彼女に手渡したい。


サーカス
上野川
 たゆたうように、彼はどこかで生きている。それがどこなのかはわたしにはまるで判らない。けれど彼はきっとどこかで生きている。わたしは彼の文章に会いに行く。彼に会いに行く。それだけでいいんだろう、と思う。


いやごと
使用後
 オタクを嫌悪しながらも、彼はその世界にのめりこんでいく。彼が彼でいられるのは、ゲーム内、あるいは脳内だけだという。
 しかし、わたしは彼の描く文章を知っている。緻密で、大胆で、過激で、悲しい。
 フィクション、だということを忘れそうに、リアル。目をそらしたくなるほど醜くて、目が離せないぐらいにおもしろい。
 彼はこれからどこに行くのだろうか?

猫を起こさないように
小鳥猊下
 流れるような文章のパロディで綴られた、すさまじい物語の数々。
 それらは、アニメの、ゲームの、マンガの、ロリータコンプレックスの、要するにおたくの、物語である。
 目が痛くなるまで、わたしは読みつづける。
 初め、わたしの中で(所詮)インターネット上のテキストだ、として始まった文章はいつしか、溢れ出る愛と憎悪の逸話となって、わたしに押し寄せてくる。


君と僕
水谷
 彼女の体は透明だ。
 心臓が動き、腸が動くさまがよく見える。心臓はゆっくりなったり、はやくなったり。叫ぶように話してみたり、苦しいほどに言葉を吐き捨てたり。生きてゆかなければならぬことの面倒くささ。居心地の悪いジャングルジムの中。
 彼女は必死に、けれどだらだらと、わたしなどいないように、(じっさい気付いてはいないだろう)なぜか耳を傾けずにはおられないような言葉を浴びせ掛けてくる。



 背の高い男がふらふらとわたしに近寄り、眉間に皺を寄せて云った。
「あなたは孤独ですね」
 わたしは驚いた。わたしのどこが孤独だというのだ。わたしはたくさんの人と手をつないで輪になっている。わたしは独りじゃない。
「あなたは孤独でできている。つなっがっていても、離れていても、あなたの心の中の孤独は消えたりなどしない」
 男はツーステップのような歩き方で去って行った。
 わたしと、となりの人との間にさびしさにも似た空虚が漂っていた。


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