lucky seventh
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2004年04月19日(月) 恋愛









あの頃に戻れたらよかったのにね。

そうしたら、また2人でいられたのにね。












・その思いの名は  ・













「ずっとずっと見ていたよ。」

俯いていた顔を上げた少女は、もう子供のままじゃなかった。
タマキはそんな長馴染みの様子に、珍しく動揺した。

「知ってたんでしょ?」

ふいに、堪えきれなくなって少女から目をそらす。

「知らないふりしてたんでしょ?」

それは、ほんの少しだけ責めているようで、
それ以上に、少女の悲しみと、堪えようのない切なさを帯びていた。


「ねぇ、なにか言ってよ…」


タマキは何も言わなかった。
リンに何一つ返すことができなかった。


「好きなんだよタマキ。」



「好きで、好きで仕方ないんだよ。」



「もう、あの頃には戻れないんだよ。」


突き付けられた現実に、タマキはやっと理解した。
もう、戻れない。

「消えたわけじゃない、過ぎ去っていたんだな。」

タマキの言葉にリンは泣きそうに顔を歪めながら、
それでも無理矢理笑った。

「女の子はそんだね。だって、男の子より先に大人になっちゃうんだもん。
タマキには分からないんだよね。分かってた。分かってたよ…」

それでも、少女は言った。


「タマキが好きなんだよ。
どうしようもないくらい、救いようのないくらいにね。」











あの頃に戻れたらよかったのにね。

そうしたら、まだ2人でいられたのにね。






その思いの名は、恋という名の愛おしさ。
『恋愛』


ナナナ

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