lucky seventh
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2004年08月25日(水) とどかない、ゆびのさき








「そう」

言われた言葉に、彼女は悲しそうに頷くだけ。
















:とどかない、ゆびのさき














染まることのナイ、闇のように黒い髪。
ジャスミン色の瞳はジェルソミーナの名前と同じ。



「分かった」


くもる瞳も、震える声も、
すべてが真実だと語っていた。


「私をおいていくのいくのね、サラザール」

ただそう言って笑うジェルソミーナの青冷めた顔が、
現実なんだと思い知らされた。













「ジェルソミーナ、いい加減食べるだんだ」

黄金のように輝く、美しい髪がジェルソミーナの前で揺れる。
つねに穏やかな色を称えたブルーグリーンの瞳も、
今はほんのスコシの怒りとそれ以上に気づかう色が潜んでいる。

「このままでは倒れてしまう」

だけど、ジェルソミーナはそれに静かに否定して、首を横にふる。
食べれないの…。
か細い声で、蚊の鳴くような声で、そう言ったきり力つきたように
ベットにその身を横たえていた。


ナナナ

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