ゼロの視点
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2002年12月07日(土) 因縁

 夫の昔からの友人夫婦から、ディナーに招待されていた。唯一、夫の友人で、今まで私があまり好きになれなかった夫婦。ゆえに、なんだかんだと理由をつけて会う機会を引き延ばしてきたが、これ以上は難しいと思ったので、招待を受理。2年弱ぶりに彼らの家に訪れてみた。

 この夫婦は、1980年代に中国とタイに長いこと駐在していた。現地での生活はものすごくよかったと言える。フランスフランで給料を稼ぎ、現地の物価は物凄く安い。なおかつ会社での地位もそれなりだったと思うので、中国での生活は、想像するだけでもVIP待遇。フランスに戻ってきてからも、タイ人女性の住み込みメイドを雇い、毎日、厳選された食材での本場タイ料理を自宅で味わっていた彼ら。

 なんでもアジアのことは知っているという彼らの態度が、どうも私は駄目だった。アジアに住んでいたとしても、特権階級の暮らしをしていて、現地の言葉も話さず(つまりは現地の生活にダイレクトに入り込むことなく)、それでいて、まがりなりにも、アジアの一員である日本人の目の前で、アジアのことについてスピーチをタレたれた暁には、不快感しか残らない。植民地主義みないな態度も感じられて、どーも好きになれなかった。

 私からみると、彼らは本当に幻想の世界にいて、まるで現実を見ていないように感じていた。とはいえ、すでに今回の招待を受理した私。2年前に彼らの家を訪れたときは、まだ今から比べると、私のフランス語能力がつたなく、今ひとつ自分の語りたいことが伝えられなかったと、謙虚に受け止め、現在なら彼らが何か癇に障ることを言い出しても、うまく言い返せるのではないか?、と現状を受け止めなおし、いざ出陣!!。

 2年ぶりに訪れる彼らの家。それはまるでアジアにある高級ホテルのような和洋折衷の美しいエントランスにサロン。内心“きゃーっ、典型的なゴーシュ・キャビア様だわっ!!”と思ったが、口にはしない(笑)。バーでアペリティフを飲んでいると、もう一組招待されていたカップルがやってきた。ケッと思いながら、出されるお酒を飲む・・・・。これが本当にすべての意を反して美味い。本当に美味しいのだ。オークションセールで購入してきた厳選されたワインとのこと。知らず知らずの間に、結構呑んでいたと思う。

 後からきたカップルの女性がとても面白い人だったのもあって、だんだんと話が盛り上がっていく。そのうち、この招待してくれた夫婦に対しての妙な嫌悪感も和らいできた。もう、気分もすっかりよくなっちゃったし、どうでもよくなってきた、というのが本音(笑)。

 食事のテーブルにつき、本来なら二度と聞きたくなかったはずの“例のアジアの話”に再びなった。が、今回は、彼らの意見をよーーく聞いた上で、とはいえ私はどう思うかなどを、詳しく、時には執拗に話し、気がつくと、今回は私が延々をスピーチしていたようだ。私の解説が想像以上に効果があったのか、この“因縁”だったはずの夫婦の態度を変えることができた模様。時折冗談も交え、彼らを和ませたし、自分としてはいい仕事したんじゃねえか?!?!?!、と、ついいい気になってしまう(笑)。

 こうして夫の古くからの友人と、私なりにアプローチ方法をかえることにより関係がよくなり、それが必然的に夫の立場も救い・・・・、私って、ひょっとしていい妻なんじゃないか?!?!、と自問自答。クリスマスにはとっておきのサービスをしてもらいたいものだ!!!!。

 ということで、食事の後はまたサロンに戻り、6人で色々な議論を楽しみ、あっという間に時間が経ち、帰宅したのは3時半だった。昨夜も帰宅したのは午前5時。きっと明日の日曜日は、完全にKOな状態になっていることだろう。


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