ゼロの視点
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昨日の午後、とうとう初めて15区にある日仏文化会館に出向いて、53ユーロも支払い、会員になった。なぜなら、図書館の利用ができたうえに、本を借りることができるから。13時の開館時間に合わせて出陣し、手続きをして、さっそく図書館へ。
今の仕事のことがなかったら、決して足を踏み入れることがなかったかもしれないところ。ある意味でこの場所に対して、妙な偏見を持っていたのかもしれない。しかし、一度行ってみたら、色々と充実していてビックリ。こんなことなら、もっと早くここを訪れるべきだったと後悔するほどだった(笑)。でも、後悔するって作業を繰り返すと、だんだんと悔しくなるので、今まで“縁がなかった”と無理やり解釈するようにした。
日仏英語で書かれた日本に関する本などが充実していた。これらの本をすべ購入していたら破算する。ありがたや、図書館!!。すべての棚から仕事に関係しそうな本を選ぶだけで相当時間がかかる。日本語の背書きのタイトルは、縦書きなので楽だけれど、洋書になると、いちいち首を横にしながらタイトルを見ることになるので、面倒くさい。
さて、日曜日の夕方からさっそく借りてきた本を読み出した。日本語なのでどんどん読み進めることができるのが嬉しい。『幕末日本とフランス外交〜レオン・ロッシュの選択〜』(鳴岩宗三著・創元社)というもの。これもきっと仕事のことがなかったら読むことがなかった本かもしれん・・・・?!?!?!?!。
読み始めると、さっそく面白い記述を発見、フランス人の情報処理のまずさについて、だ。以下、抜粋(19頁)。
「このようにせっかく重要な情報を入手しながら、それに対する分析能力を欠いたり、そこに現れた情勢の変化に対応しようとしないフランス側の怠慢は、一時的現象に過ぎないのであろうか。じつをいえば、これはなにもベルクール個人にかぎったことではない。レオン・ロッシュにもしばしば見られる欠点なのである、いや、それどころか、これはむしろフランスの不名誉な伝統的お家芸の一つにも数えられる。」
ベル・クールは初代仏駐日大使で、ロッシュは2代目。幕府との交渉がうまくいかないのにも関わらず、その原因を分析することもなく、ずうっとブーブーと文句を垂れていたのがフランス人で、それに対してイギリス人は的確に状況分析をして、早々と幕府との間に折衷案を見出した、ということに関しての記述である。
また、普仏戦争のときには、フランスもプロシアも開戦に対して綿密に計画を練っていたはずだったが、いざ開戦してみると“軍服のボタンひとつにいたるまで準備万端整っている”と豪語したフランスは、肝心の情報不足と固定観念に縛られて動きがとれず、あらゆる事態に即応できる体制をしいたプロシアの前に、ひとたまりもなかった、というのである。
読んでいて、思わず笑いがこみ上げてしまった。そしてあまりにもそれに当てはまることがたくさんあるので、色々なことを思い起こしたりもして、すっかり楽しんでしまう私。
マニフェスタシオン好きなフランス人。またマニフェスタシオンする割に、全然変わらない世の中。変化を求めてデモをしているのか、それとも変化も求めず、とりあえず文句を垂れるのが好きなのか?、サッパリわからんということに遭遇するが、まさにそれを象徴しているかのようだ(笑)。
日曜日の午後は、親しくはないがどうしても我が家に一度は招待しなければいけない夫婦とランチをしていた。“イヤイヤ外交”ならぬ、“イヤイヤ社交”。妻のほうは、極左運動家で、イデオロギーなどのことを聞いてもいないのに、延々と喋り倒すヒト・・・・・(大汗)。敵の批判はそりゃあ素晴らしいが、上記の抜粋のごとく、分析が今ひとつ不足している気がした。
あまりにも理想が強いので、面白くなって、ちょっとソノ理想の足元をぐらつかせて見たら、彼女が少し黙った。夫は、顔には出さぬが内心爆笑していたようである。
ところで、サルコジ先生の一大理想郷は、どこまで驀進するんでしょうかねぇ?!?!?!?!。
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