さくら猫&光にゃん氏の『にゃん氏物語』
目次へ|←遡る|時の流れ→
2002年12月28日(土) |
にゃん氏物語 若紫12 |
光にゃん氏訳 源氏物語 若紫12
五位の男が手紙の使いで 僧都は恐縮していた 惟光は少納言に 面会を申し込み逢う 源氏の考えを詳しく伝え 源氏の日常の生活の 様子も伝えた 口のうまい惟光は相手を説得しようと上手に話したが 僧都も尼君も少納言も 幼い子供への結婚の申し込みはどう解釈 していいのか あきれていた 手紙の方にも心を込めて書いてあり 一つ一つ書く姫君の字を私に見せてくださいともある 封じた手紙は
浅香山浅くも人を思はぬになど山の井のかけ離るらん 浅香山の浅い山の井のように浅い気持ちで想っていないのに どうして相手にしてくれなくて 疎遠になっていくのでしょう と書いてあった その返辞を尼君が書いた
汲み染めてくやしと聞きし山の井の浅きながらや影を見すべき 十分汲んで飲めないささやかな山ノ井の水に深く心を寄せ後悔した と聞くのに 浅い心のままでどうして孫娘の姿を見せられましょうか 惟光が聞いて来たのも その程度の返辞だった 「尼君のご容体が少しよくなれば京のお邸に帰るので改めて お返辞します」と言ったのである 源氏は あてにならないと思った
藤壺の宮が少し病気になって宮中から自宅に帰っていた 帝が日々恋しく心配する様子に源氏は同情しながら めったにない この機会を逃しては いつ恋しいお顔が見られるかと夢中であった それ以来 愛人の所には行かず 宮中の宿直所で 二条の院でも 昼間はずっと物思いにふけり 王命婦に段取りをつけてもらう事以外 何もしなかった 王命婦がどういう方法を使ったのか知らないが とても無理して逢っている時でさえ 現実と思われなく残念に思った
宮も思いもしない出来事を思い出すと一生忘れることのできない 罪悪感である それきり終わりにしたいと強く決心したのに また こんな事を繰り返すのは悲しい 恨めしがちでありながら 柔らかで 魅力があり あまり打ち解けず奥ゆかしく気品がある態度が美しいと 源氏は思う
なぜ一箇所でも欠点を持たないのだろう それでなければ自分の心は こんなに死ぬほど惹かれることはなくて楽なのにと思い 源氏は この人の存在を知った運命さえ恨めしく思う
さくら猫にゃん
今日のはどう?
|