さくら猫&光にゃん氏の『にゃん氏物語』
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2002年12月30日(月) にゃん氏物語 若紫14

光にゃん氏訳 源氏物語 若紫14

源氏の中将も変わった夢を見て夢解きを呼んで聞いてみると 到底
及ばない思いもかけない占いをした そして「順調に行こうとするには
慎まなければならない事が1つあるのです」と言った 夢の事を現実に
起こるように言われて源氏は恐怖を覚えた

「私の夢ではない ある人の夢だ 今の夢が現実になるまで秘密だ」
と言ったが 源氏は何が起きるのかと思う その後に源氏は藤壺の宮の
ご懐妊を聞いて そのことが占いの男に言われた事なのかと思い
恋人と自分の間に子供ができると言う事に感情が高ぶり 以前にまして
言葉の限りを尽くして逢う段取りをつけたいが 王命婦も宮が ご懐妊
してから 以前の自分の行動 源氏が激しい恋で身を滅ぼすのに同情し
行ったことが 重大なことに感じて 策をめぐらし 源氏を宮に近づけ
させなかった 源氏は稀に宮から一行ほどでも返辞をもらうことも
あったが それさえも無くなった

初秋の七月 宮は御所に入った 最愛の方が懐妊して帝の愛情は
ますます藤壺の宮に注がれる 少しお腹がふっくらとして つわりの
苦しみに 顔が少し痩せた宮の美しさは以前より増したように見えた
前からではあるが 明けても暮れても 帝は藤壺にばかり来ている
音楽遊びに適した季節になっていて 源氏の中将も終始そこへ呼んで
琴や笛の役を命じた 物想いを源氏は努力して隠していたが 時々我慢
できない様子がうかがわれ 宮も気がついて さすがに源氏について
忘れられない想い出をあれこれ思って 悩み続ける事を感じた

北山に療養していた 按察使大納言の未亡人は病状がよくなって京に
戻っていた 源氏は惟光などに京の家を訪問させ 時々手紙を送った
先方の返辞は春も今もかわっていない それも当然だと思うし また
この数ヶ月は過去数年より増して恋の苦しみが源氏にあり 他の事は
何一つ熱中してやろうと思わないで なおかつ恋に積極的でもなかった

秋の末になり 恋する源氏は もの寂しくて しみじみ浸っている
ある月夜ある女を訪ねる気にやっとなったと思えば さっと時雨が降る
源氏の行く所は六条の京極あたり 御所からではやや遠い気がする
荒れた家の庭の木立ちが大家らしく見える 深い土塀の外を通る時
お供に欠かせない惟光が言った「これが 前の按察使大納言の家です
先日この近くに来たついでに寄ってみると あの尼君は病気で衰弱して
何も考えられないと挨拶がありました」


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