流れる水の中に...雨音

 

 

友達の焦燥。 - 2004年11月11日(木)



昨日 友達は鬱に入っていた。

結婚して6年 彼女は彼女のライフスタイルを
大切にしながら 旦那様とバランスのよい関係を築いていた。

生活にも恵まれているし 新しくマンションを購入し
部屋の設計も自分好みにプロデュースし
ミニマリズムをテーマにした スタイリッシュな空間を
作りあげ とても素敵で快適な部屋だった。

彼女もお稽古好きで 興味の向いたことは
片っ端から手をつけて行き ただ一つ私と違うのは
彼女の興味は長続きしないことだった。
浅く広くが彼女の教養における基本で
基本さえおさえたならば あとは自分流にアレンジしながら
自分なりに成長しようと言う考えだった。

彼女たちは子供を持つことは 最初から考えていなかった。
母親になる自信もなかったし 子供の必要性も感じていなかった。
自分達の生活が まず大切で それ以上のややこしい問題や責任を
抱えたくは無いという まさに今時の夫婦だったと思う。

彼女曰く 私は彼女と同類に分類されていたらしい。
私も 結婚当時から 子供はいらぬと公言していたし
実際考えもしていなかった。
私は私の望む方向へ向かうことしか 考えていなかったし
そんな私にとって 子供は足枷でしかなかった。

しかしながら 私が妊娠したことが かなりショックだったようで
彼女曰く 「あなたも女性としての真っ当な道を結局選んだのね」と
悲しまれてしまった。

私や彼女の周りには いわゆる模範的な主婦が多くて
旦那様の存在に抑圧されている妻が多い。
友達と会うことすら ままならず
主婦としての仕事をきちんとこなさねば
また自分の欲求など 抑えてひた隠して生活せねば
旦那様に愛想を尽かされてしまうと怯えている。
そんな妻達は私達にむかって批判的な目をする。

彼女はナイーブだから そんな視線に耐えられなくなったようで
唯一の仲間であった私も 違う部類に移ってしまうことに
喪失感や焦燥感を感じたようだった。

昨日 そのことを旦那様と話していたのだけれど
妻がどう生活するかは 各々の家庭の問題であって
人の家庭のことに口を出したり批判をする立場にはないという。
私もそう思う。
家庭によって 旦那様との関係や 妻の意義もちがうのだから
他人の批判など きにすることはないさ と
彼女にもいったのだけど まだまだ気にしてはいるようだ。

妻はハウスキーパーじゃ ないんだから
家事ができてこそ 価値があるわけじゃあない。
子供を産んで育てたからといって
それが他者よりもすぐれているという理由にもならない。
家事をして 家を守って 子を産んで育てて
それでしか評価されない妻と言うのは 逆に
どんなに馬鹿にされきった存在なんだろうなと思う。
そんな旦那様なら こっちからごめんだ。

そんな男を自分で選んでおきながら
その抑圧に耐えかねて 自分の得られなかった環境の他者を
批判するのは 馬鹿じゃ無いかと思ったりする。
自業自得だ。

旧い因習に縛られた家庭は いまだ多い。
うちだって その一例だ。
それで私は 随分嫌な思いをしたからこそ
人に そんな同じようなことを求める人が愚かしく思える。


私は変わらないさ と彼女に言うと
彼女は ほっとしていたように見えた。




...




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