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母の白いガーゼのハンカチ。 - 2005年03月02日(水) 赤ちゃん用品を集めはじめている。 週末毎にデパートやら専門店やらに義理の母と出向いては あれが可愛い、これが可愛いと、あれこれ買ってもらっている。 そうやって集められたお洋服やら下着やらは 今では随分集まって、大きめの段ボール一杯になっている。 とっても小さい靴下やミトン、肌着や、まだ気の早いお洋服などを 眺めていると とっても可愛くて可愛くて 何度も何度も包装紙を開いては お腹の中の彼女に 語りかけながら 楽しんでいる。 その中にガーゼのハンカチの束まであって こんなに沢山使うものなのかなあ なんて思っていると ふと 遠い昔の記憶が蘇ってきた。 そういえば まだ私が小さい頃 母はよく ガーゼの白いハンカチを使っていた。 バッグの中にはいつも一つは入れていたし 私の顔や耳を拭ってくれる時は いつもそのやわらかな 白いガーゼのハンカチだった。 私は母がてっきり ガーゼのハンカチが好きなのだとばかり 今まで思い込んでいたのだけれど 自分がいざ 子供を持つ身になったとき やっとその理由が わかった気がした。 私の母は いくつになっても少女のような人で いつも天真爛漫な人である。 父が白血病で入院したときも、半年以上、父の病室のソファに 付っきりで泊まり込んでいたのだけれど 父の病状の重篤さとは裏腹に あっけらかんとしたその様子に 看護婦さんたちも救われていたようだった。 そんな母だったから 確かに私達を育ててはくれたけど 子供べったりというわけでもなく 口煩いわけも無く どちらに興味があるのかすら よくわからない人だった。 そんな母だったから 彼女と子育てというつながりを あまり見つけられなかったのだけど たった一枚の白いガーゼのハンカチに 母の母であった証拠を見つけたような気がして なんだか胸にぐっと こみ上げてきた。 きっと 私が男の子だったならば こんなことには気付かずに 通り過ぎてしまったのだろう。 自分が子供をもった時に、親の有り難みがよくわかるというけれど こんな些細な事ひとつにでも なんだか感謝をしてしまう。 あなたを育てるのは大変だったわよ なんてことは 一言も母の口から聞いた事はなかったけれど そんなことは口にしなくても いつかは伝わるものなんだな。 いつか私の中の この彼女も こういう気持がわかってくれたらいいのになと思ったりする。 ...
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