2002年10月14日(月)
北朝鮮に拉致され、生存していた人たちが、いよいよ一時帰国する。 ご家族を北朝鮮に残してくるという極めて不自然な不満の残る形ではあるが、今までの事を考えると、急展開と言えるであろう。
最近気になっている事が一つ。 それは、今までは拉致被害者の全員の帰国という方向へ全員が一致して向いていた被害者の家族の方々が、ここに来て、微妙に各々の立場が変わってきてしまった、ということだ。
生存を伝えられた人、死亡を伝えられた人、また同じ死亡でもそのお嬢さんらしき人がいるとわかった人・・・ 全く明暗を分けてしまったっために、被害者のご家族の感情にも微妙な変化が見られる。
例えば、今回の一時帰国にしても、異口同音にお子さんたちを北朝鮮に残してこなければならないという事に抗議はしているが、その口調が違ってきている。 抗議はしながらも、思いがけず早い再会に喜ぶご家族、人質を取られている様な帰国に北朝鮮だけでなく、それを受け入れた日本政府に対しても激しい怒りを示す家族・・・。
多分、今回の一時帰国をした際も、生存者の家族は、静かにのんびりと過ごさせてやりたいと思うだろうし、死亡を伝えられた家族は、出来れば生存者から自分たちの肉親の安否に関する生の声を聞きたいと願うだろう。
お互いにお互いの気持ちが痛いほどわかるだけに、そして今までの団結力が強かっただけに、被害者のご家族たちは、また違った意味で、複雑で苦しい思いをしているのではないだろうか?
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