2002年11月26日(火)
日記の方にも少し書いた私が発病した「円錐角膜」という病気について書いておく。
円錐角膜とは、角膜(黒目の表面の透明な膜)が、薄くなり、前方へ円錐状に突出してくる進行性の病気。 多くは両眼性で、女性の場合1万人に1人という珍しい病気。 初期の段階では診断がつきにくく乱視と診断されることもよくある。 進行の度合いは人により様々で、数ヶ月の間に進行する場合もありますが、何年もかけて進行する場合がある。 多くの場合30歳前後で進行が止まるといわれていますが、40歳、50歳になって急激に進行する場合もある。
症状は? 視力低下や見え方のゆがみが円錐角膜の初期症状で、多くの場合、10代後半思春期から20代前半に発症する。 ごく初期には、まぶしさや光に過敏になるなど、見え方に軽い変化がおこるだけで、右目と左目の症状に差があることもある。 病気が進行して、角膜の突出がつよくなり、角膜に濁りが生じると見え方にゆがみが生じる。 角膜に浮腫(腫れ)がおこって突然視力が低下することもあり、この角膜の腫れは角膜が円錐状に突出することによって、角膜の内面にある弾性繊維の膜に小さい裂け目が生じておこる。 この角膜の腫れは数週間から数ヵ月間続きますが、裂け目が修復されると徐々に瘢痕組織に置き換わる。
治療法は? 初期段階(裸眼で0.6程度)の症例では眼鏡、中等度(裸眼で0.02程度)までの症例では、ハードコンタクトレンズ(HCL)を使えば、視力が矯正できる。
コンタクトレンズで視力が出なくなると、手術が必要になり、また、コンタクトレンズで違和感の続く人も手術の適用になる。 手術としては、角膜全層を入れ換える全層角膜移植術を行う。
私が「円錐角膜」と初めて診断されたのは昨年の1月12日。 今まで使用していたハードコンタクトが製造中止になるため、新しいコンタクトを作りに行って視力検査をしたところ、コンタクト装着時でも左目が(1.5⇒0.4)と落ちていたため、そこに来ている眼科医の診察を受けて「円錐角膜」と診断された。 3年間、義母の看病・逝去・転居と忙しかったのと、何の違和感もなかったので、コンタクトの検診を怠けていた。
子供の頃から近視に加えて乱視はあったが、少なくても3年前まで両眼とも矯正視力が1.5あったし、何度かアレルギー性結膜炎で眼科医の診察は受けた事があるが、今まで一度も指摘された事もなかった事から考えてもこの3年間の間に発症したものと思える。 上の説明から考えても、片目だけ、しかも発症年齢が遅いという事で、珍しい病気の上に更に珍しいらしい。
さて、コンタクト屋(?)で診断を受けた翌日、かかりつけの眼科医で再度診察を受け、確かに「円錐角膜」で、定期的に検診が必要だと言われた。 そこで定期検診を受けてもよかったが、開業医であるため、何れ万が一角膜移植が必要となったら、まだ病院を変えなくてはならない。 なので、最初から角膜移植が可能な病院を探す事にした。
こういう時に大活躍するのがパソコン(ネットの世界)。 角膜移植に実績があって、出来れば円錐角膜の専門医がいて、我が家からも通院できる範囲・・・ 幾つかの病院をピックアップして、各々の眼科へ電話してみて、一番感触がよかったのと、助教授が円錐角膜の専門医だったこと、ハードコンタクトでも痛みが酷くなった時には直ぐ移植ではなくてピギーバック(Piggy Back)(ソフトコンタクトの上にハードコンタクトを装着する方法)を取り入れている今の病院を選んだ。
日記にもあるように、普通の人が使用するコンタクトでは度が出なくなってしまったので、円錐角膜用のコンタクトを使用する事になったが、ハードコンタクトをしていて違和感(痛み)が全く無いというのが、救いである。
普通はもう進行が止まっている年代・・・マァ私の目は若いってことですね(笑)。
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